HOME>女性スポーツ・コーチング科学研究発表
【学術論文】

長距離ランナーのクーリングダウンに関する基礎的研究
鯉川なつえ・仲村明・澤木啓祐、陸上競技研究 第45号:25〜31(2001.6)
陸上長距離ランナーのクーリングダウンの現状を調査した結果、長距離ランナーのほとんどがクーリングダウンを実施しており、疲労回復はもとより筋肉の張りや柔軟性の回復を目的として行っていた。しかしクーリングダウンの内容が習慣化しているため方法論は不明瞭であり今後は効果的なクーリングダウンの確立およびコーチの主運動に着目したクーリングダウンの指導が重要であることが示唆された。

長距離ランナーの血中乳酸および筋硬度の変化から見た主運動を基準としたクーリングダウンの効果
鯉川なつえ、陸上競技研究 第46号:8〜15(2001.9)
長距離ランナーを対象に、その日の主運動の強度を基準にしたクーリングダウンの至適強度を、血中乳酸および筋硬度の減少率より検討した結果、主運動の60%強度が最もクーリングダウンの強度に適していることが示唆された。

大学女子長距離ランナーに対する実践的な栄養指導の効果−栄養・体脂肪・血液性状および競技力の変化に着目して−
鯉川なつえ・武井正子・池畑亜由美・高岡郁夫、順天堂大学スポーツ健康科学研究 第6号:49〜59(2002.3)
大学女子長距離ランナーに実践的な栄養指導を実施した結果、栄養充足率が有意に向上し、体脂肪率の安定がみられ、栄養に関する実践的なアプローチは自己管理能力の高いアスリートの育成、さらには競技力向上の一助になり得ることが示唆された。

アスタキサンチンのスポーツパフォーマンスに及ぼす影響−運動選手の視機能と筋肉疲労回復に対する効果について− 
鯉川なつえ 他、臨床医薬 18巻9号:1085〜1100(2002.9)
運動選手にアスタキサンチンを摂取させた結果、摂取期間前に比べ、視神経機能の鋭敏化に対する改善および、持続的な筋収縮活動に対する乳酸発生の抑圧に効果があることが示された。

果実酸摂取が大学長距離選手の血液レオロジーおよび運動時の呼吸循環応答に及ぼす影響
鯉川なつえ他、日本ヘモレオロジー学会誌第5巻第2号:99-106(2002.12)
大学長距離選手に果実酸を摂取させた結果、運動による血液粘性の増加および、最大走運動負荷時における乳酸の上昇を抑制する傾向がみられた。また呼吸交換比の低下や、疲労困憊時間の延長が認められ、果実酸摂取が持久性運動時のパフォーマンスに対して改善効果を持つ可能性が示唆された。

地域スポーツ活動における大学の関わりについて−水沢市スポーツ健康科学交流カレッジの事例−
鯉川なつえ・東根明人、順天堂大学スポーツ健康科学研究7:85-90(2003.3)
中高校生を対象に陸上競技教室を実施し、地域スポーツと大学との連携交流による効果を検討した結果、自己実現意欲等の競技意欲に有意な向上がみられ、指導者の研修にも役立つことが示唆され、このような試みは非常に有意義であると思われた。

果実酸摂取が大学長距離選手の血液レオロジーおよび血液生化学検査に及ぼす影響−長距離走行中での果実酸摂取の影響−
鯉川なつえ他、日本ヘモレオロジー学会誌6(2):83-88(2003.10)

果実酸を長距離走行の途中で補給することで、運動パフォーマンス向上に有利に働くかどうかを血液レオロジーおよび血液生化学検査より検討した結果、運動後の血液粘性および血中乳酸の上昇が抑制された。また運動に伴う血中遊離脂肪酸濃度の増加が高まり、運動のエネルギーの利用を増大させるとも考えられ、果実酸摂取は持久性運動時のパフォーマンスに対して改善効果を持つ可能性が示唆された。

マラソンレース中の熱中症に関する事例報告
澤木啓祐・鯉川なつえ、発汗学10(2):51-53(2003.10)

'95ユニバーシアード福岡大会でのデータをもとに、女子マラソンレース中に熱中症を発症した選手の発症の背景、発症後の処置ならびに回復までの経過を検証した結果、選手の準備不足というより、環境条件が大きく影響していたと思われる。今後夏季に開催される主要大会において、選手が安全に競技を行い、十分にパフォーマンスを発揮できるような環境づくりが必要である。

中長距離ランナーの競技力向上のための高所および低酸素室利用の効果
澤木啓祐・須田柳治・鯉川なつえ他、陸上競技研究4(55):29-36(2003.12)
高所と低酸素室において同様のコンディショニングトレーニングを実施し、酸素運搬能に関わる血液生化学データ、血中乳酸、競技成績の関連性からそれぞれの低酸素環境下におけるコーチングの留意点を検討した結果、高所においては酸素運搬能に関わるRBC、Hb、HctおよびEPAが増加し、高所順化効果が認められた。また低酸素室では血液生化学データに変化はみられなかったが耐乳酸能力が優位に改善されたことから合宿期間の日数設定を考える必要性がうかがわれた。

コーチングマニュアル
 鯉川なつえ他 共著、陸上競技社、第9章競歩:95-99(2004.3)
競歩の指導法およびトレーニング法について解説した。

実業団女子長距離ランナーの月経に関する研究
鯉川なつえ・宮崎亮一郎、陸上競技研究1(56):14-20(2004.3)
実業団に所属する女子長距離ランナーの対象に女性機能、スポーツ活動と月経および妊娠出産に対する意識についてアンケート調査を行った結果、FATが多く存在し長期的怪我と無月経、初経の遅延との関連性および無月経者と妊娠不安の関連性がみとめられ、競技力向上には女性アスリートとその指導者への教育や専門医との連携等の環境づくりの必要性が示唆された。

下肢の疲労骨折-MRIおよび骨代謝マーカーを中心に- 
桜庭景植・澤木啓祐・石川拓次・鯉川なつえ・仲村明・京極伸介、日本臨床スポーツ医学会誌12(3):385-392(2004)
疲労骨折の新たな指標としてMRIおよび骨代謝マーカーに注目し、早期診断の目安になるかを検討した。MRIは、より早期に骨変化を捉えられ、早期診断例においてはスポーツ復帰も早かったが、疲労骨折部位により違いがみられ、骨代謝マーカーは、疲労骨折発症前にNTxが高値を示したことから、骨吸収マーカーの変動は疲労骨折予測因子の一つとなりうる。

長距離ランナーのレモン果汁飲料の摂取が血液レオロジーおよび血液生化学の変化に及ぼす影響
鯉川なつえ・仲村明・豊島博・三枝裕昭・長岡功・山口正弘・澤木啓祐、陸上競技研究59(4):20-26(2004.12)
長距離ランナーの走運動前後の給水に、レモン果汁飲料を摂取させ比較した結果、血液レオロジーの高まりを改善し、血中乳酸を速やかな除去がみとめられ、CPKの上昇が抑制される傾向がみられ、レモン果汁の摂取は疲労回復の促進に有効である可能性が示唆された。

十種競技における血中乳酸濃度の動態
金子今朝秋・中丸信吾・越川一紀・佐久間和彦・鯉川なつえ・仲村明・濱名慶匡・澤木啓祐・吉儀宏・河合祥雄、陸上競技研究59(4):37-43(2004.12)
十種競技を専門とする学生競技者を対象に、十種競技における血中Laの動態を明らかにし、トレーニングの現場や実際の競技において競技特性を考慮した方法論を見いだす資料を得た。

フラバンジェノールの有用性とスポーツ現場での活用
鯉川なつえ・飯野妙子、New Food Industry47(1):22-28(2005.1)
フラバンジェノールのさまざまな有用性を総説するとともに、スポーツ選手を対象にフラバンジェノールを継続的に摂取させた結果、走運動負荷により筋肉から血液中に逸脱するLDHやCPKの酵素量が有意に抑制され、血中乳酸も有意に減少を示したことからフラバンジェノールがスポーツ現場においても有効である可能性を示唆した。

豆乳の摂取が女子長距離ランナーの骨塩量および女性ホルモンに及ぼす効果
鯉川なつえ・柳田美子・宮崎亮一郎・澤木啓祐、デサントスポーツ科学26:220-228(2005.6)
女子長距離ランナーに豆乳を摂取させ骨塩量および女性ホルモンの変化を検討した結果、豆乳を継続的に摂取することで骨塩量が有意に増加し、E2の分泌が促進する傾向が伺われ、豆乳の摂取は女子長距離ランナーに効果的である可能性を示唆した。

続発性無月経状態にある長距離ランナーのエストロゲン分泌動態および積極的治療に関する基礎的研究
鯉川なつえ・宮崎亮一郎陸上競技研究68(1):22-27(2007.3)
正常月経と無月経の女子長距離ランナーを対象にピル投与によるホルモン動態を調査した結果、無月経群は正常月経群に比べ明らかにE2が低く、ピル投与により一時的にE2およびPの分泌が高まり、無月経ランナーへのピル投与は効果的である可能性を示唆した。

 
 

【学会発表 その他】

マラソンレース中の熱中症に関する事例報告〜'95ユニバーシアード福岡大会より
(1998年7月 日本運動生理学第6回大会プログラム予稿集:73 鯉川なつえ・澤木啓祐・山下誠 共著)
'95ユニバーシアード福岡大会、女子マラソンレース中において熱中症になった選手の事例をもとに、気温・湿度・レース展開等の資料を検討し、熱中症の背景、発症後の処置法ならびに回復までの過程の考察を進めた結果、マラソンレース中における熱中症に対する対策および処置法についての知見を得ることができた。

動作法の女子長距離走選手のフォーム改善への影響
(1999年10月 日本体育学会 第50回記念大会体育・スポーツ関連学会連合大会号:345 鯉川なつえ・星野公夫・飯島正博 共著)
女子長距離ランナーに動作法を適用することで腕振りを中心としたランニングフォームの改善がみられ、記録が向上するであろうとの予測検討を行った結果、ランナー自身の気づきが鋭敏化し、動作法がランニングフォームの改善および競技記録の向上に有効な手段であることが示唆された。

女子学生の健康意識と健康行動〜健康習慣を手がかりとして〜
(2001年9月 日本健康教育学会 第10回日本健康教育学会講演集:120〜121 鯉川なつえ・池畑亜由美・中村恭子・武井正子 共著)
一般女子学生75名と体育を専攻する運動志向の強い女子学生86名を対象に健康意識、生活習慣、運動習慣、食生活および身体組成について調査し比較を行った結果、運動志向の学生は健康意識が高く、食生活等の生活習慣が規則的であることが示唆された。

ジュニア期のトレーニングを考える
(2002年3月 第14回ランニング学会大会予稿集:34 鯉川なつえ他 共著)
女子長距離ランナーのジュニア期のトレーニングについて、(1)運動能力や体力の発達に応じた適切なトレーニング(2)勝利や敗北から学ぶメンタル面の育成(3)栄養やスポーツ障害に関する教育等の重要性を述べた。またジュニアの指導者に向けて行き過ぎたトレーニングが「肉体的・精神的な限界」を引き起こすという問題を提起し、自己管理能力の高い選手の育成の必要性を提言した。

女子長距離選手の骨塩量・骨代謝マーカー・女性ホルモン−経時的前向き調査−
(2002年5月 日本整形外科学会誌76.3:332 桜庭景植・黒澤尚・澤木啓祐・鯉川なつえ・石川拓次・京極伸介 共著)
大学女子長距離選手に骨塩量、骨代謝マーカー、女性ホルモン等について前向き調査を行った結果、生理以上を有する選手は骨塩量が有意に低く、特に無月経群では骨吸収マーカーも高かった。骨塩量の指標としては大腿骨頸部の骨塩量、骨代謝マーカーとしてはNtxが最も有用であった。

女子長距離ランナーの豆乳の摂取が骨塩量および女性ホルモンに及ぼす影響
(2002年11月 日本臨床スポーツ医学会 第13回日本臨床スポーツ医学会学術集会抄録集:101 鯉川なつえ・柳田美子・桜庭景植・澤木啓祐 共著)
大学女子長距離ランナーに豆乳を摂取させた結果、骨塩量の増加およびエストロゲンの安定に有効であることが伺われた。

豆乳の摂取が女子学生長距離ランナーの血液性状および骨量に及ぼす影響
(2002年11月 日本栄養改善学会 第49回日本栄養改善学会学術総会講演集:154 柳田美子・鯉川なつえ 共著)
大学女子長距離ランナーに8週間豆乳を摂取させた結果、非飲用群に対し各栄養素の平均摂取必要量を満たし、血清鉄、エストロゲンおよび骨量の増加が認められた。

実業団女子長距離ランナーの月経に関する研究〜アンケート調査の結果から〜
(2002年12月 女性スポーツ医学研究会学術集会抄録集:8 鯉川なつえ・宮崎亮一郎 共著)
実業団チームの女子長距離ランナーを対象に月経および将来の妊娠出産に関するアンケートを実施した結果、対象者のほとんどが無月経を経験しており、BMIと無月経には有意な相関が認められた。また長期的な怪我と無月経、妊娠に対する不安と無月経との間にも有意な関係性が認められ、女性長距離ランナーの競技力向上には指導者および医師との連携が必要であることが伺われた。

走運動トレーニングラットに及ぼすCLA摂取の影響−運動機能を反映する筋肉および血液の生化学指標について
(2003年10月 第5回CLA懇話会抄録集:8 山口正弘・鯉川なつえ他)
CLA(共役リノール酸)を走運動ラットに摂取することで、運動機能の向上やトレーニング効果の効率化に利用できるかどうかを血液レオロジーおよび血液生化学検査より検討した結果、LDHやCPKの酵素量が抑制され、血液レオロジーの変化から赤血球膜の柔軟性が高まることが示唆された。このような効果は運動パフォーマンスの向上に有効であると考えられた。

レモン果汁摂取の運動負荷による血液レオロジー及び血液生化学に変化におよぼす影響
(2003年11月 第10回日本ヘモレオロジー学会抄録集:33 鯉川なつえ他)
長距離ランナーにレモン果汁サプリメントを摂取させることで、血液レオロジーおよび血中乳酸等の血液生化学にどのような影響を及ぼすかを検討した結果、走運動後の回復時に血中乳酸が速やかに除去が認められ、CK濃度の上昇を抑制される傾向がみられた。また運動後の血液レオロジーはプラセボ群に比べその高まりが抑制される傾向がみられた。このことから、レモン果汁サプリメントは筋疲労の回復を促進し、筋肉の損傷を防ぐ効果が期待された。

一流長距離ランナーの身体特性に関する事例報告〜2003世界陸上代表選手を対象として〜
(2003年12月 日本陸上競技学会第2回大会抄録集:20 鯉川なつえ他)
日本記録を樹立した一流長距離ランナーの身体および体力特性を明らかにし、過去の測定データから競技記録の変化を検証した結果、日本記録樹立の要因として、身体組成の変化、酸素摂取水準の向上、無酸素性作業閾値の向上、ランニングの経済性の改善がみられた。一流長距離ランナーの身体および体力特性に関するデータは、今後のトレーニング現場での基礎資料となると考えられ、このようなデータの集積は、競技力の向上やトレーニング、障害の予防において客観的な判断材料として有益であると考えられる。

長距離ランナーにおけるフラバンジェノールの運動疲労回復効果の検討
鯉川なつえ・仲村明・長岡功・木曽良信・澤木啓祐、第12回大会日本運動生理学会抄録集:73(2004.8)
大学長距離ランナーを対象にフラバンジェノールを継続的に摂取させ、血液生化学データおよび運動後の血中乳酸等にどのような効果を及ぼすかを検証した結果、走運動負荷により筋肉から血液中に逸脱するLDHやCPKの酵素量が有意に抑制され、血中乳酸も有意に減少を示した。これらの結果からフラバンジェノールの摂取は長距離走の疲労回復に有効と考えられた。

女子スポーツ選手の大豆製品摂取状況と月経に関する研究
鯉川なつえ・柳田美子、第51回日本栄養改善学会学術総会講演集:365(2004.10)
女子スポーツ選手を対象に、およそ3ヶ月間豆乳を飲用する群としない群に分け、健康状態、月経周期、13項目にわたる月経随伴症状および食事摂取状況を調査した。その結果、豆乳飲用群には無月経者の月経再来がみられ、月経随伴症状の緩和がみとめられた。このことより、豆乳の飲用は女性ホルモンに影響を与える可能性が考えられた。

長距離走トレーニングに対する抗酸化物質フラバンジェノール摂取の効果
鯉川なつえ・仲村明・長岡功・栗原毅・澤木啓祐、第11回日本ヘモレオロジー学会抄録集:29(2004.11)
大学長距離ランナーを対象にフラバンジェノールを継続的に摂取させ、血液のヘモレオロジーの変化を検討した結果、運動負荷による血液レオロジーの低下を抑制する傾向がうかがえた。

運動トレーニングラットに及ぼすCLA摂取の影響-運動機能を反映する血液および筋肉の生化学的指標について-
山口正弘・蓬田伸・豊島博・岩田敏夫・井上節子・鯉川なつえ・澤木啓祐・黒田善雄・長岡功、第11回日本ヘモレオロジー学会抄録集:30(2004.11)
ラットを用いてCLA(共役リノール酸)と運動トレーニングを負荷し、血液および筋肉の生化学指標の変化を検討した結果、運動負荷による血液流動性の低下が抑制され、CKおよびLDHの酵素量が抑制し、運動機能の向上やトレーニング久賀の効率化にCLA摂取が有効である可能性が期待された。

競歩種目における高所および低酸素室利用の効果〜コンディショニングトレーニングを中心として〜
今村文男・澤木啓祐・鯉川なつえ・鈴木いづみ・内丸仁・仲村明・河合祥雄・形本静夫、第2回JISS国際スポーツ科学会議2004プログラム抄録集:55(2004.12)
競歩選手を対象に、高所及び低酸素ルームにおいて同様のコンディショニング合宿を実施し比較検討した結果、高所と低酸素ルームのどちらも酸素運搬能の改善効果が得られた。また、競歩種目の特性上低酸素ルーム滞在中の疲労の蓄積も見られず長距離走種目に比べ低酸素室の滞在効果が期待された。


ラクトフェリン摂取が長距離ランナーの運動性貧血の改善に及ぼす効果
鯉川 なつえ・仲村 明・長岡 功・山口 正弘・澤木 啓祐・山内恒治・濱野弘一、日本陸上競技学会第4回大会抄録集:26(2005.9)
長距離ランナーに鉄結合タンパク質であるラクトフェリンと鉄剤を摂取させ、血液生化学データを検証した結果、MCVおよびMCHが有意に高まった。また、非摂取群はFe、フェリチン、RBCが有意に減少したが摂取群に変化はみられなかったことから、長距離ランナーの運動性貧血の予防改善には鉄剤に加えラクトフェリンを同時に摂取することが有効であると考えられた。

女子長距離ランナーの潜在的な運動性貧血に対するラクトフェリン摂取の有用性
鯉川 なつえ・仲村 明・長岡 功・山口 正弘・澤木 啓祐・山内恒治・濱野弘一、第16回日本臨床スポーツ医学会学術集会抄録集13(4):122(2005.11)

☆学会賞☆

鉄吸収調整作用を有するラクトフェリンを、潜在的に運動性貧血を発症しやすい女子長距離ランナーに摂取させ、血液生化学データと運動パフォーマンスの変化について検討した結果、貧血傾向を示すRBC、Fe、フェリチンの減少を抑制した。また非摂取群は運動パフォーマンスが低下したが摂取群は変化しなかった。このことからラクトフェリンは運動性貧血を予防改善効果が期待された。

ストラトグラムからみた駅伝選手の自己分析
仲村 明,鯉川なつえ,青木和浩,須田柳治、東京体育学研究2005年度報告:21-24(2006.1)
駅伝選手を対象にストラクトグラムを用いて3つの脳のタイプに分類し、競技能力や男女の違いから駅伝選手の自己分析を報告した。

スポーツ観戦における性差〜箱根駅伝の魅力に関するアンケート調査より〜
平田きみ子、鯉川なつえ、陸上競技研究第66(3):49-53(2006.9)
箱根駅伝の魅力に関するアンケート調査を実施し、スポーツ観戦における性差を検討した結果、男性は選手と自分を重ね合わせながら観戦するのに対し、女性は仲間同士の絆や繋がりに魅力を感じながら観戦する傾向があることが示唆された。

高地トレーニングが血液レオロジーに与える影響
仲村 明、鯉川なつえ、澤木啓祐、日本陸上競技学会第5回大会抄録集:34(2006.9)
長距離ランナーを対象に短期高地トレーニングを実施し、その前後の血液状態と血液流動性から、低酸素環境下における水分喪失および脱水に関する基礎的データを観察した。その結果、高地トレーニング前に比べRBC、Hctが有意に増加し、全血通過時間は、高地トレーニング後に有意に延長した。以上のことから、短期高地トレーニングによって、酸素運搬能に関する血液生化学データが改善されたが、血液粘性が高まることが明かとなった。

女子長距離ランナーのエストロゲン分泌動態に関する研究
鯉川なつえ、宮崎亮一郎、日本陸上競技学会第5回大会抄録集:35(2006.9)
女子長距離ランナーを対象に、正常月経ランナー、月経異常ランナーおよびホルモン剤服用ランナーのエストロゲン分泌動態等について事例的に調査することを目的とした。その結果、月経異常ランナーは基準値よりも著しくエストロゲンの分泌が低値であり、正常月経ランナーのエストロゲン値との間に有意差が認められた。しかし、正常月経ランナーのエストロゲン値もまた基準値を下回っていた。以上のことから、女子長距離ランナーは、全般的にエストロゲンの分泌が低いことが明かとなった。

走運動負荷後の小麦グルテン加水分解物(WGH)投与による組織障害抑制の効果
鯉川なつえ、鈴木良雄、仲村 明、上田誠仁、川崎勇二、吉儀 宏、長岡功、澤木啓祐、体力科学55(6):704(2006.9)
男子学生ランナーを対象に走運動負荷後に小麦たん白加水分解物、以下WGH)を10g、20g投与およびControl群にわけ、24時間後、48時間後のCPKにより評価した結果、運動前および運動1時間後のCPK値は各群間で差はみとめられなかったが、運動24時間後のCPK値はControl群に比べWGH20g群において有意に低下した。またレース48時間後のCPK値は、Control群に比べGP20g群において低下傾向がみられ、走運動後のWGH20gの投与は24時間後の筋組織障害を抑制する効果があると結論した。

スポーツ系大学女子の納豆摂取状況と月経随伴症状に関する研究
柳田美子、鯉川なつえ、栄養学雑誌64(5):442(2006.10)
 

高地トレーニング時におけるウォーターローディングが血液流動性に与える影響
鯉川なつえ、仲村 明、澤木啓祐、第13回日本ヘモレオロジー学会プログラム抄録集:46(2006.11)
長距離ランナーの高地滞在中に、適正なウォーターローディングプログラム群(Water群)と水を自由に摂取する群(Control群)で、血液データおよび血液レオロジーがどのように変化するかを検討した結果、Water群、Control群ともに高地トレーニング後において、RBC、Hgb、Hctおよび血小板が有意に増加し、Control群はNa、Clが有意に低下した。また、血液通過時間は両群の間に有意な差は認められなかったが、Water群に比べControl群の方が延長する傾向がみられ、高地滞在中にウォーターローディングを実践することで、血液流動性を改善させ、高地トレーニング効果を高める可能性が示唆された。