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「たかがインターハイ、されどインターハイ!」

日本の各地域ではインターハイ予選の熱戦が繰り広げられている。
私はここ数年、学生募集活動のため地区大会を訪れているが、憧れのインターハイの出場を目指す高校アスリート達の泣き笑いを見ると、自分の高校時代を思い出し胸が熱くなる。
私も、紛れもなく今から十数年前はインターハイを目指す純粋なアスリートだった。
今思えば、県大会、九州大会と中2週間で最高のパフォーマンスを出すなんて事は、高校生にしかできない技だと思うし、インターハイという夢がなければ頑張れなかっただろう。
 しかし、近年「インターハイ廃止論」なるものも頻繁に聞こえてくるようになったのも事実。
高校生のスポーツ傷害の引き金になっているとか、燃え尽き症候群が増えるとかいう理由からである。確かにそれは一理も二理もある。
 ”過ぎたるは及ばざるがごとし”という格言があるように、物事には程度というものがあり、それを過ぎると本来の目標からかけ離れてしまうからだ。
だからといって「インターハイがあるからいけないんだ!」というのは絶対におかしい!
一番問題なのは、指導者が自分のエゴで、選手に無茶なトレーニングを押しつけたり、強制したりすることではないか。自分の選手の力量をみて、それに見合った目標を設定してあげることができないからケガをするし、インターハイはジュニア期のステップであり、その先には世界がある、ということを教えていないことこそが原因なのだ。
 先日、仙台育英高校の渡辺監督と話をした時に「高校生は(女子3000mで)9分20秒を切らす練習をしなくてもいい、それ以上の練習は大学や実業団がやる仕事だから・・・。楽しみは後に取っておかないとなっ」とおっしゃっていた。なるほどっ、そりゃそうだ!と納得。
もっと練習すれば記録を更新できるんだ!という”のりしろ”を取っておいてあげることが高校生のトレーニング指導に求められていることだと思う。
 高校生は『インターハイ』という目標によって、努力する精神を培い、栄光や挫折の経験が、物事を受け止め解決する精神的な強さにつながり、応援し支えてくれる人々への感謝の気持ちが芽ばえていくことこそ、真のアスリートとしての素養を備えるのに貴重な体験となるだろう。
たとえインターハイに出場できなくてもどうってことないじゃないか。インターハイは陸上競技の最終目標ではない!だってまだまだ将来があるんだから・・・。
大切なのはインターハイを目指す過程なのだ。
インターハイはまさに『青春』だ!高校生諸君、もっと燃えようぜぃ!!

2003-06-18
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