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「進路」

人生には数回、自分の将来を大きく左右する転機がある。
 それは人によって違うと思うが、だいたい「高校」、「大学」、「就職」を決める時だと思う。
 私もこの3つの岐路に立ったときは本当に悩んだ。とりわけ「大学」は大変だった。
 自分は将来何になるのか、何がしたいのか・・・なんて、陸上に情熱を燃やしている高校生の私にはとてもヤボなことで、『とにかく日本一になってオリンピックに出たい!』という目標しか頭にないのだから、それはそれは時間がかかった。
 親の意見、先生の意見等、自分をこれまで見守ってくれた人達はさまざまなアドバイスをしてくれたが、所詮人ごと!最後は自分で納得して決めるしかない、と毎晩未来の自分を想像して眠れない日々が続いたのを思い出す。
 たしか、順大の澤木先生(現・総監督)に、たまたまスーパー陸上かなんかで会って、「順大が初めて女子学生を公募する」との話を、通りすがりの筑女の河村監督にしていたときこれまたたまたま澤木先生が持っていた、箱根の駅伝選手たちの血液検査データやらを「こんなの知ってるか??」と見せられ、半分以上意味の分からない話に圧倒されたのを覚えている。その時、怖い者知らず?の私もいくつかの質問を澤木先生にしたのだが、とてもわかりやすく、的確に教えてもらい(『60へぇ~』くらいかな?)、とても勉強になったことだけ記憶している。(内容は忘れました・・・)
 他の実業団チームや、大学の方々に勧誘をしていただいたが、全く大学のPRもしないで、ひたすら陸上競技のことについていろいろと教えてくれた、澤木先生の大学で、もっと陸上のことを勉強してみたい!と純粋に思った私は、澤木先生のことなんて何も知らず、箱根駅伝なんて見たこともないまま順天堂大学への進学を決めたのだった。
 国体終了後に進路を決めたので、11月初旬だったと思うが(願書締めきりギリギリだった)、一番驚いたのは澤木先生だったということをあとで聞かされた。
 私の場合、ほとんどインスピレーションみたいなもんで決めてしまったところがあるが、結局自分の進むべき道は自分で決めてこそ価値があるのだ。進路に正解も不正解もないのだから・・。
 現在、私は高校生を勧誘する立場になったが、そりゃぁ「順天堂大学に来てねっ!」とだけ言いたいけれど、ぐっと我慢して、あえて、『長い人生の節目の、自分の将来を考える時間なんだ~と思って、たくさん悩んで悩んで悩みまくって自分で答えを出してね!』と言うようにしている。
 悩んだ分だけ、その後くじけそうになった時の自分の支えになってくれるはず。
 進路の決定はゴールではなく、これからのスタート地点であることを忘れてはいけない。
 前向きに、明るい未来を想像して、進むべき道を選択しよう!

2003-10-18
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