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「夢は叶う」

先日、教え子の結婚式に出席した。
年齢的に?同級生の結婚式ラッシュは峠を過ぎ、最近はもっぱら教え子に呼ばれることが増えてきた。それはそれでとても嬉しいことだ。
で、その教え子の名前は元資生堂ランニングクラブ所属の尾崎朱美。昨年の東京国際女子マラソンで2位に入り、一躍脚光を浴びたランナーである。彼女はあまり知られていないが、実は順天堂大学出身で、ちょうど私が大学にコーチとして戻ってすぐに指導した選手だった。
尾崎は1500mに適応するスピードも持っており、腰高で足が長く、とても綺麗なフォームで走るのに、大学時代に強くしてあげられなかったのは、私の指導力不足のせいだった。だからこそ、私は彼女が4年生になった時に「実業団でやってみたら?」とずいぶん勧めたが、彼女は”自分には無理だから、、、”とのことだった。
そして夏がすぎ、秋の駅伝が終了し、箱根駅伝が終わった1月、突然尾崎が私の所に来た。”やはり走ることを続けたいのですがどこか探してもらえませんか?”とのこと。私は嬉しかった反面、この時期に実業団チームに採用をお願いできるのか不安だったので「見つからなかったらどうする?」と聞くと、『実業団浪人します!』とキッパリ言ったのを今でも覚えている。
私は何が何でも探してあげようと、彼女の経歴書をどこに行くにも持参して、ことあるごとに尾崎の広報活動をした。いくつかの実業団に断られた後、たまたま当時解説で足を運んだ北九州選抜女子駅伝で、資生堂ランニングクラブのコーチに尾崎の話をしたら”練習に連れてきてみて”と言っていただき、自慢のフォームのおけげ?で4月1日付けの契約社員採用を頂いたのだった。
そこから彼女の努力が始まった。監督、コーチ、チームメイトに恵まれ、そして走れる喜びと自らが志願した意地で、どんどん自己記録を更新していき、ついにはマラソンまで走るオールマイティランナーへと成長を遂げたのだった。

環境が変わるというのは、気持ちも何もかも一新できる絶好のチャンス。そして、自分の可能性を生かすも殺すも、自分の心ひとつだ、ということを、私は彼女を見て改めて勉強させてもらった。
言葉で言うのは簡単だが、夢が叶うまではツラいことも辞めたいときもあったはず。しかし、自分の夢が叶ったとき、それは夢へのプロセスとなり、良き思い出に変わるのだ。
そんな彼女への思いにふけりながら、おいしい食事とシャンパンでホロ酔いしたnatsuwayでした!末永くお幸せに♪

2007-04-23
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